日本人の貯金好きは、今は昔の話?
かつて日本は、貯蓄好きの国として世界に知られ、Japan As Number Oneと言われた時代もあった。
消費に回さず貯蓄してしまうエコノミックアニマルと揶揄された事もありました。
ところが今や貯金ができる日本人は、少なくなったようです。
内閣府が発表した06年度の国民経済計算によると、家計貯蓄率は3.2%と過去最低を記録したそうです。
70年代には20%以上、80年代から90年代後半まで10%以上で推移していたのに、
97年の11.4%から10年足らずで3分の1の水準に急降下してしまったそうだ。
すでに日本の貯蓄率はドイツやフランスを下回り、低貯蓄率のアメリカにも劣る時代が来るのかもしれません。
どうしてこれほど急減してしまったのか?
1つの要因は、高齢化の進展だそうです。
退職して年金で暮らす高齢者が、蓄えてきた貯蓄を生活費に回している。
05年の家計調査では、世帯主が60歳以上の無職の世帯では、貯蓄率はマイナス26.1%。
収入より支出が多いため大幅に貯蓄が取り崩されている。
85年に8.5%に満たなかった「高齢無職世帯」が全世帯に占める割合は、05年には24.5%に急増しているそうです。
今後さらに老齢化が進むのは確定的であり、貯蓄率はさらに低下することが予想されている。
そして、もう1つの要因が、働く現役世代の貯蓄力の低下だそうです。
また、バブル以後の超低金利政策が、国民の貯蓄意識を削いでしまったのも要因かもしれません。
ここ数年は、家庭の収入の伸びがない、今年はさらに、不況の影響でマイナスになりえる状況です。
さらに今後、高齢化で、労働者人口の減少も加わり、現役世代の負担も増え、
さらに貯蓄率の減少が加速するというスパイラルが予想されます。
借金の増大!と貯蓄率の減少!の先は?
今や日本が抱える借金は、1000兆円を超えています。
今年も税収が46兆円を下回る状況で、過去最高の44兆円を越える国債が発行されます。
日本政府は国・地方合わせてGDPの150%前後という膨大な債務を負っている。
これだけ厳しい財政状況であるにもかかわらず、国民も企業も借金の増大を感じていない気がします。
まるで、借金を重ねる多重債務者のようです。借金が続けられるうちは幸せでいられますが・・・
家計の貯蓄率の低下、無秩序に繰り返される財政赤字で膨れ上がる政府債務、
この先には何があるのでしょうか?
とても、明るい日本の未来が想像できません。
みなさんは、どう考えますか?