takaです。厚生労働省は「毎月勤労統計」で、500人以上規模の全事業所を調査すべきところ、2004年以降東京都の対象事業所の3分の1程度の抽出調査しかしていなかった不正調査問題で特別監察委員会は、検証結果の報告書をまとめました。
その報告を受けて22日、事務次官と厚労審議官を訓告、担当部署の責任者を務めた幹部ら20人超を減給などの処分すると発表しました。
勤労統計は政策立案の土台となる基本データで、国民の育児・介護休業手当、雇用保険や労災保険支給額などの算出の元データとなるものです。
今回の事件は簡単に言えば、厚労省が、賃金統計の方法の規定を守らず、実態より高い伸びのデータを出していたことが非難されています。
昨年も同じような統計数値の改ざんや誤りがありましたが
昨年も、公文書の改ざんにや政府が公表してきた統計数値の誤りが、次々と明るみにでました。
◇ 厚労省による働き方改革の元になる調査の「労働時間の調査」で残業時間集計に誤りが発覚しました。
◇「障害者の雇用割合」では国税庁や国交省などで、42年も数値を水増しして法令の基準を守ったように見せかけていました。
◇「失踪した技能実習生への聞き取り調査」では最低賃金以下で働いていた外国人が7、8割いるとのに、法務省は0.8%と集計していました。
今回の勤労統計だけでなく、省庁で行われる調査や報告で、誤りの隠ぺいや、統計のねつ造が繰り返されています。
統計情報の誤りを隠ぺいやねつ造は、誰のために行ったのか?
今回の厚生労働省の「毎月勤労統計」も、昨年の統計情報の誤りを隠ぺいやねつ造と同じところに根がある気がします。
今回に限らず、ねつ造の方向性が、アベノミクスの成果を示すのに都合の良いデータになったり、法案を通すのに使われたりと明らかな政治的意思が感じられますね。
「調査方法」「統計法」も見直すべきでは?
毎年、企業には、各省庁から沢山のアンケートが送られてきます。
各省から同じような内容のアンケートがきたり、税務署に報告している内など重複した内容だったり、アンケートを返さないでいると、下請けの調査機関から、しつこく催促の電話が来ます。
- 経済センサス活動調査(総務省)
- 情報処理実態調査(経済産業省)
- 通信利用動向調査(総務省)
- パートタイム労働者総合実態調査(厚生労働省)
- 企業活動基本調査(経済産業省)
そして、調査の文面には、以下のような記述があります。
↓
「調査票にご記入いただいた内容は、統計法に定められている利用目的以外に使用することはありませんので、正確な統計を得るためにも、皆様のご理解をお願いいたします。」
結構面倒で、回答に何時間もかかるアンケートを企業や家庭に対し行う上で、法的な規制をかしているのがこの「統計法」です。
「統計法」に以下のように、定めています。
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統 計 法
(報告義務)
第13条 行政機関の長は,第9条第1項の承認に基づいて基幹統計調査を行う場合には,基幹統計の作成のために必要な事項について,個人又は法人その他の団体に対し報告を求めることができる。
2 前項の規定により報告を求められた者は,これを拒み,又は虚偽の報告をしてはならない。
(罰則)
第61条 次の各号のいずれかに該当する者は,50万円以下の罰金に処する。
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「統計法」を根拠にして、縦割りの省庁で、企業や家庭にそれぞれ調査を課して、それぞれ税金の無駄遣いをして、いい加減なデータを集め、
政策に都合の良いデータに改ざんをしているのでは、まともな政策ができるわけはありませんね。
統計法を含めて、国の調査のシステムそのものを見直すきではないでしょうか?