先日友人に誘われて渋谷ヒカリエで開催されていた「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」に行ってきました。
年末で何かと忙しかったのですが、なんとか閉幕間際に駆け込む事ができました。
ウェス・アンダーソンすぎる風景展とは物凄く簡単に概要を説明すると映画監督のウェス・アンダーソンの世界を体現したような風景写真を集めた所謂「映え」に特化した写真展なのですが、恥ずかしながらウェス・アンダーソン監督を知らなかったので全くどういう展示かわからないまま行きました。
誘ってくれた友人は自分より洋服も撮る写真も全然おしゃれな人間なので、展示されてる写真を見ては終始隣で「おしゃれ」「かわいい」と連呼しておりましたが、そもそも「おしゃれとはなんなのか」と思考が立ち止まってしまいました。
ダサい物とおしゃれな物の区別はある程度つく方だと思っていますし、自分も比較的着るものなどにこだわりのある方なので違いがわからなかったり、何がおしゃれかわからない訳では無いのですが、言語化してみろと言われたらできないな、となりまして、それに日頃自分が製作しているデザインは装飾性のデザインよりもUIやマーケティングが優先される設計の方のデザインな訳で、そこに更に乗せる「おしゃれなデザイン」ってそもそも何?と。
デザインの4大原則である、近接・整列・反復・コントラストなどは知識として知っていても、知識で論理的に制作するというより、自分の感覚で制作する事が多くて今まで言葉で説明して来なかったんですね。
この展示で個人的に衝撃だったのが京都の嵐山モンキーパークの望遠鏡の写真がさも「おしゃれです」という顔をして展示されていた事です。
下図1番手前がその写真。
身も蓋も無い言い方をしてしまえばたかが望遠鏡の写真なのに作品面ができている訳です。でもデザインの4大原則で言えばこのモンキーパークの望遠鏡の写真は整列・反復状態で展示されていて、構図もシンメトリーに切り取ってあるな、とか分解できる訳ですよね。
全く関係ないですが、アイドルグループの乃木坂46の衣装はメンバー全員が並んで立った時にスカート丈が横一直線になるように身長関係なく長さを揃えように仕上げてあってかわいいとファンから評判が良いですが、あれも整列なのかな、とか思ったりする訳です。
ただこの整列させる、反復させるいう事にこそ理論があるのに(自分が製作しているものができているかできていないかは一旦置いておいて感覚値として)何となくできてしまうが故に言語化を疎かにして製作して来てしまったんですよね。ですがこの原則は人間の心理や習性を利用したものなので絶対論理的に作り出せるのは間違いない訳で、つまり論露的に製作できれば作業効率が上がって生産性も上がるのでは?と今更ながら気付いて来たので一旦言語化する必要を感じました。
これに限らず今回のどの展示写真もそうなのですが「結局は構図と色調で全部決まるなぁ」というのが個人的な乱暴な感想ではありますが、物事に名前がついたり言語化されていくと解像度が上がるので今後少し立ち止まって考え行きたいと思います。今までただ漠然と「この色の組み合わせは無しだな」とか「この色の組み合わせはおしゃれかも」などと考えていて、具体的に言語化をしてきた事ってなかったんですよね~~。