こんにちは、kurokoです。
暑い季節もだんだん終わろうとしていますね。涼しい秋の風を感じることも増えてきました。
そんな終わりゆく夏の風物詩のひとつといえば、地域の「祭り」が思い当たります。
日本各地で行われる祭りは、伝統や文化を体験する貴重な機会であり、地域の人々の絆を深める大切な行事です。今回の記事では、現代の祭りにおいてAIやデジタル技術が活用されている例をご紹介いたします!
祭り文化の継承におけるデジタル技術の活用
祭りは、古来から長年にわたって地域の文化や歴史を伝える重要な行事として継承されてきました。しかし、近年、担い手の減少や若い世代の祭りへの参加が少なくなり、伝統を守ることが難しくなっている地域も存在します。特に人口減少傾向の地方の祭りでは、この問題が顕著です。例えば、青森県の「ねぶた祭り」は国の無形文化財にも指定されており、その知名度から毎年多くの観光客で賑わいますが、この先の担い手不足について懸念されています。
そこで、ねぶた祭りを後世へ残す手段のひとつとして注目されているのが、AIやデジタル技術の活用です。
ねぶた祭りを例とした新しい祭りの形
こうした課題に対処するため、ねぶた祭りでは伝統を守りながら新しい形で祭りを発展させる試みが行われています。その一例が、プロジェクションマッピングを使った展示と、VR技術を使った祭りの体験です。青森市文化観光交流施設の「ねぶたの家 ワ・ラッセ」内には、来館者を感知すると映像と照明の演出が自動で開始され、通路でもあるエリアには、左右2面に設置された湾曲したスクリーンに映像をマッピング表示しており、ねぶた祭りの迫力ある喧騒の中に入っていくような感覚が体験できるようになっています。
また、VRで祭りを見れるバーチャルねぶた祭りは、祭りの雰囲気を会場に設置されたカメラの映像を360度見渡すことができます!
下記のリンクから皆様もお楽しみいただけます。
ねぶたの気迫をデジタル技術で残し魅力を伝えることは、祭り文化を未来へとつなげる新しい形の一つであるといえます。
安全管理におけるデジタル技術の導入
祭りのように多くの参加数が殺到する行事などでは、時に危険な事故が発生することがあります。このような群衆雪崩に関して近年の事故歴をみると、日本では2017年5月、COMIN’KOBE(カミングコウベ)というチャリティー音楽フェスにて、バンドが入れ替わるタイミングで出入口付近に人が殺到し、重傷者がでる事故が起きています。また、韓国では2022年10月29日に、ソウルの梨泰院にて群衆雪崩が発生し、多くの犠牲者が出ています。
たたら祭りを例とした安全管理の技術
2023年7月、埼玉県川口市のたたら祭りでは、NTTのクラウドサービス「PLACE_AI」を利用して、リアルタイムでAIが会場の混雑状況を解析し、可視化する実験が行われました。祭り来場者の安全管理や混雑の緩和を目指した実証実験でしたが、その結果たたら祭のホームページのアクセス数が増加し、入場規制判定にもデータが活用され、祭りの安全管理に貢献しました。
まとめ:AIと祭りの融合による未来への期待
伝統を守りつつ新しいデジタル技術を融合させることで、遠方からの参加者獲得や、若い世代の関心を高めて継承の担い手を増やす足掛かりとなることが期待できます。また、AIによる群衆管理や事故防止策の進化により、ますます安全に参加できる祭りの運営が可能となり、これまで以上に多くの人々が祭りに集うことも可能になります。祭りに限らず、フェスやアミューズメントパークなどの人が殺到するイベントの安全管理でも、さらにAIが活用されていくでしょう。
スマホでいろんなことが叶う時代だからこそ、人が集い同じ体験をすることの価値は高まっているのではないでしょうか?AIやその他のデジタル技術の活用により、日本の祭り文化がどのように進化していくのか、引き続き注目し、楽しみにしていきたいですね!