「なぜレコードの回転数を下げると声が低くなるのか?」— 音の不思議を探る

最近、レコードを聴くのが趣味のひとつです。

レコードプレーヤーにはLP(33回転)、EP(45回転)、SP(78回転)など、レコードの種類によって回転数が異なります。

レコード盤の中心にあるラベルに回転数を記載している場合もあるのですが、最初は扱いが分からず、レコードの回転数を間違えて再生して、アーティストの声が妙に低くなったり、高くなったり、正しいテンポで聴けないということがありました。

回転数が変化すると、曲のテンポはもちろん、まるで別人が歌っているような声色になります。歌手の一青窈さんの『もらい泣き』という曲の再生速度を遅くすると、平井堅さんが歌っているように聞こえるという話は有名ですよねicon_eek.gif

でも、なぜこんな現象が起こるのでしょうか?

そこで今回は、レコードの回転数と音の高さの関係を、できるだけわかりやすくご紹介します!

レコードの回転数が音に影響を与える理由

レコードには、音の波形が溝に刻まれています。そして、ターンテーブルの針がこの溝をトレースすることで音が再生されます。通常、レコードの回転数は33回転(LP)や45回転(EP)ですが、もしこの回転数を下げると、音はどうなるのでしょう?

1.回転数を下げると、針が溝を通過する速度が遅くなる

例えば、通常33回転/分(RPM)のレコードを半分の速度(16回転)で再生すると、同じ音の波形を再生するのに2倍の時間がかかります。

2.音の波形が引き伸ばされるため、周波数が低下する

音の高さ(ピッチ)は、周波数(Hz)によって決まります。例えば、A4(ラ)の音は通常440Hzですが、回転数を半分にすると220Hz(A3)になり、1オクターブ低くなります。

3.結果として、音のピッチが下がり、声が低くなる

逆に、回転数を上げると、音の波形が圧縮され、周波数が高くなり、声が高くなります。これを利用して、アーティストが意図的に録音速度を変えることもあります。

音質への影響

回転数が変わると、音の高さだけでなく、音質にも影響が出ます。回転数が速いほど、一般的に音質が良いとされています。これは、単位時間あたりに再生される音の情報量が増えるためです。

「変速」の活用

レコードの回転数を変える技術は、単なる「ミス」や「遊び」ではなく、音楽制作にも活用されてきました。

ヒップホップやEDMでも、レコードの回転数を変えることで、新しいビートやサンプリングが生まれることもあります。

DJプレイでの活用

DJプレイでは、レコードの回転数を自在に変えることで、曲のテンポを調整したり、スクラッチなどの特殊な効果を生み出したりします。

まとめ ~回転数で音が変わるのは、周波数が変わるから!~

今回は、レコードの回転数を下げると声が低くなる理由についてご紹介しました。音が低くなる仕組みは、音の波形が引き伸ばされ、周波数が低下するからです。逆に、回転数を上げると音が高くなるという単純な原理ですが、これを知るとレコードの奥深さをより楽しめるかと思います。

トラックバックURL