アメリカの物価上昇と金利の上昇
アメリカの2021年4月の物価上昇が4.2%と発表され、続く5月の物価は更に高く5.0%の上昇でした。
これを受けて、FRBがFOMC(連邦公開市場委員会)で、2023年の利上げを示唆したことからアメリカの株価が急落しました。
世界は、インフレと金利の上昇に恐怖を感じ始めているようです。
今後、4%から5%の物価上昇が長期化すれば、金利も上がっていきます。
金利が上がれば、ZERO金利と通貨の増発で大きく膨らんだバブルがはじけ、世界の金融と経済がクラッシュに向かう可能性が高まります。
石油価格が上昇しています。
コロナの蔓延による経済活動の縮小から、一時は1バーレル20ドル付近まで急落しました。現在は、62ドルぐらいまでに急上昇しています。
国際エネルギー機関は、世界の原油需要について「2023年まで新型コロナウイルスのパンデミック以前の水準に戻らない」との見方を今年3月に示していましたが、最近になって「今後1年でコロナ禍以前の水準に回復する可能性がある」と修正していいます。
先進国がコロナからの回復期に入ってきた事や、イランの核開発をめぐる国際的な緊張から、1バーレル100ドルを超えるとも予想されています。
金属価格も上昇
金属で代表的な価格をつけるのは銅ですが、20年6月比で70%も上がっています。
一時、1万747・5ドルの史上最高値をつけ、上げ幅は昨年の最安値の2・5倍となっています。歴史的高水準で推移しています。
鉄も値上がりが始まっています。5月に全品種の値上げが発表されています。
主原料となる鉄スクラップの高騰や海外価格の上昇などの影響を反映するものです。
木材価格も急騰しています
これが世界の住宅用木材の高騰を招いています。60%から70%を輸入に頼る日本では、木造住宅の柱などに使う集成材はこの半年ほどで2割値上がりし、2021年の夏場には2倍になるとの見方も出ています。
米国の木材価格の先物は、2020年2月は300ドルでしたが、供給の制約と住宅建設の増加(年率30%)から、21年5月物では1800ドルへと6倍に上がっています。
この木材価格の急騰は、今後の世界の住宅価格を押し上げ、住宅建設や不動産需要に急ブレーキをかける可能性があります。
インフレは、一時的なものなのか?
FRBは、アメリカの現在の物価上昇は一時的なものと言っていますが、
この傾向は、3か月や6か月の短期ではなく、長期的なものと思えます。
世界はインフレに突入し、
今まさに、かつての石油危機のような「金属資源危機、木材危機、エネルギー危機」が同時に起ころうとしています。もしかしたら食糧の価格も急騰するかもしれません。
日本も30年も続いたデフレの時代が終わり、危険なインフレの時代に入ろうとしていると思います。
みなさんはどう考えますか?