エネルギー・資源・穀物の大半が輸入に頼る日本の危機
takaです。昨年のインフレの始まったころのマスコミの表現は、「何年ぶりの値上げ」というような論調でしたが、商品によっては、今や段階的に値上げが繰り返され「今年何回目の値上げ」というような表現にかわってきました。
日本は、エネルギー、資源、小麦・大豆などの食料品のほとんどを海外に依存しています。食料自給率は、先進国で最低の37%と極めて低い状況です。
小麦の国内生産は、13%です。87%は輸入に頼っています。資源・エネルギーでは、97%が輸入です。
今、海外から輸入せざるを得ないエネルギー、食料品が急速に値上がりし輸入インフレに直面するなか、さらに円安によって通貨の価値も失われています。
すでに、主要な輸入先のアメリカの小麦先物価格は、2020年1月の490ドルから、1150ドルへと2.4倍に上がっています。
インフレが夏~秋にかけて加速する
ロシアのウクライナ侵攻によって、2022年秋からの日本の食品価格高騰の原因となる問題が複合して発生しています。
食料品が急速に値上がりするだけでなく、食料が手に入らなくなる可能性も考えられます。
(1)エネルギー価格の高騰、
(2)戦争によりウクライナの作付面積が急減する。生産した穀物を輸出できない
(3)ロシアの穀物輸出の禁止、
(4)不作などによるインドの穀物輸出の禁止
(5)ロシアからの肥料の輸出禁止と肥料の高騰による作付けの減少、収穫量の減少
(5)海外(特にアメリカ)との金利差が広がることによる、さらなる円安の進行
日本でも、原材料である肥料の価格が3.5倍に上がって、採算がとれないので、国内出荷が多い野菜の作付けを諦める農家が増えているようです。
アメリカやヨーロッパなど世界中で同じ事情で、穀物の販売価格が上がっているのにコスト高で赤字になり、穀物の作付けを増やすことができない状況のようです。
秋以降の穀物の収穫量の減少や作付けの減少は、予想以上に拡大する可能性があります。
また、天候の問題や、温暖化、バッタの大量発生などのリスクも重なることもあるかもしれません。
『食糧危機』という言葉が世界中で使われるかも?
ウクライナ戦争から起こった供給ショックは世界的な食糧危機に向かう可能性を高めています。
現在は、アフリカやアジアの外貨の乏しい国で、食料が買えず食糧危機が表面化していますが、日本では、現段階では『食糧危機』という認識はありません。
秋以降、日本でも食料不足から買い占めでスーパーの棚が空になったり、所得の低い層の食生活に大きな影響を与える段階が来るのかもしれませんね。