銀行の破綻は、数日間の預金取り付けから突然に始まりました
Takaです。わずか2週間で、世界の中堅以上の銀行が4銀行が次々破綻しました。
始まりは、2023年3月10日、シリコンバレーバンク(SVB)の破産でした。
全米16位、2117億ドルの総資産の中堅銀行です。
3月12日には、シリコンバレー銀行に続いて、資産額で全米29位のシグネチャーバンク（総資産1103億ドル）も、破産しました。預金は885億ドル（11.5兆円）ぐらいのの中堅銀行です。
ついに大手銀行まで破綻へ
そして、3月19日、経営不安が高まったクレディ・スイスはUBSに救済買収されました。
クレディ・スイスはスイス２大銀行の1社で、社員5万人、ビジネスを50か国以上で展開する世界有数の金融機関です。
対応に追われたスイスの中央銀行は、7兆円ものマネーを注入しています。
クレディ・スイスが発行した、約160億スイスフラン(約2.3兆円)の劣後債であるAT1債の価値はゼロになりました。
そして、銀行破綻危機はついに、世界有数の大手銀行へ
以前から危機が言われていましたが、健全化に向かっているとされていたあの『ドイツ銀行』にも破綻のうわさが広がり株価は急落しています。
そして、さらに米銀の5位の大手、チャールズ・シュバウまでも、破綻危機に直面しています。
世界は、リーマンショックを超える信用恐慌に向かうのか?
最初は、中堅銀行の破綻でしたが、今は世界の大手銀行の破綻危機に向かっています。
破綻の連鎖を止めるために、FRBたECBなどの世界の中央銀行は、銀行に巨額のマネーを注入しています。
FRBだけでも2週間の短期間に30兆円？ものマネーを銀行に緊急注入しているようです。
今回の危機の大きさと緊急性が想像されます。
この危機が収束できなければ、世界はリーマンショックを超える信用恐慌に向かうと思われます。
いつも危機は、金融機関の内部に隠されいる
アメリカでは、6％のインフレと、5％の金利の中、預金への不安心理からか預金の引き出しや続いています。
インフレが9～10％、金利が3.5％のヨーロッパはアメリカより深刻です。
2008年9月のリーマン・ブラザーズの破綻の時も、破産の2週間前に「当行は史上最高の利益を上げた」と発表していました。
いつも金融機関の抱える大きな闇は、内部にかくされ時限爆弾のように急に爆発します。
何故？金融危機は突然に発生したのか？
大手と言われる銀行も総資産の5％程度しか自己資本はありません。
中央銀行FRB、ECBは、数十兆円もの巨額なマネーを短期間に銀行に注入しています。
インフレが高止まりする環境下で、増刷する通貨への信認が失われれば、銀行危機が信用恐慌になり、実体経済の恐慌になっていく可能性を秘めています。
ドル債券の40％は、海外の中央銀行、銀行、ファンドがもっています。日本は、1000兆円分をもっています。
シリコンバレー銀行からの4銀行の破産からの原因は、アメリカの4～5％の金利上昇の副作用である「米国債とMBSの20％下落」が、中核にあります。
金融機関の抱える大きな闇は？
このアメリカ国債の20％の下落分、1000兆円の強大な負債を裏で抱える金融機関の闇は、あまりにも大きすぎます。
闇の深さを考えると、4銀行の破綻は、今はまだ、始まりと思われます。
1000兆円の強大な負債は、銀行の自己資本を簡単に吹き飛ばす金額です。
シリコンバレー銀行は、内情が外部に漏れ、たった2日で預金取り付けになって破産しました。
シリコンバレー銀行から始まった4銀行の破産が局所的なもので終わるか？
世界に広がる信用恐慌になるか？ここが焦点だと思います。
個人的には、リーマン危機を超える恐慌になっていく可能性もあると見ています。
恐慌は避けられなとしても、問題はどのくらいの猶予期間があるかです。
みなさんはどう考えますか？
