トランプ大統領の関税政策と連邦政府の人員削減策の行きつく先は?

トランプ大統領は4月3日から、アメリカ製以外の全ての国の自動車に25%追加関税をかけると発表しました。

日本にとっても影響は大きく、日本のアメリカへの輸出額の3割が自動車関連です。
現在、車の関税率は2.5%なので、その10倍の関税が追加でかけられることになるかもしれません。cat_6.gif

今回は、トランプ関税の背景や目的について推察してみたいと思います。

関税導入の目的は、深刻な財務危機から偉大なアメリカの崩壊を救うため?

現在のアメリカは、財政赤字と貿易赤字が同時に発生する「双子の赤字」が続いています。

バイデン政権が、一時しのぎの短期国債を多く発行し続けた結果、財政赤字の総額は、37兆ドル(5550兆円)にも達しています。そして、2025年から27年に、国債の満期が集中して多くなっています。

2025年度には、国債の利払いを含む財政赤字2兆ドルと、借り換え債8兆ドルの合計で、10兆ドルの余分な政府支出が必要です。

アメリカ10年債の金利の推移

債務の利払いだけで、1兆ドル(150兆円)を超えていて、ドルが基軸通貨でなければ、とっくに破産しています。このままでは、偉大なアメリカは崩壊します。emoji482.gif

日本もGDP比200%も国債残高があり深刻ですが、
アメリカは、国債の長期金利が4.5%と日本(日本は1.6%)の約3倍も高い事が、さらにアメリカの財政に深刻な影響を与えています。

現在の国債37兆ドルの市場での売買に加え、増発される10兆ドルの米国債の販売ができなければ、債券市場の金利が上昇する危険があります。

また、トランプ政権は、一方でイーロン・マスク氏率いる政府効率化省(DOGE)による連邦政府の人員削減や支出削減を急ピッチで強引に進めています。

トランプ政権は、この深刻な財務危機に対応するために、以下の政策を実施しようとしています。

  1. 輸入関税により、国内の製造業を保護しできるだけ生産拠点をアメリカに戻して、海外からアメリカに投資させて、アメリカで製造業の雇用を増やす。

  2. 海外からの輸入品に高関税をかける事で貿易赤字を減らすと共に、海外から関税で得た巨額のお金を国債の返還にあてる。

  3. バイデン政権が膨らませてきた国内の大きな政府の運営に伴う無駄な支出と巨額な予算に群がる不正を排除する事で連邦政府の支出を減らし、民主党の弱体化をはかる。


海外や国内の敵対勢力からみると、かなり一歩的で強引な手法ではありますが、アメリカの財務危機を回避するためには、かなり巧妙で有益な策とも思えます。

2025年は、世界的な不況のスタートになるのか?

本日、日経平均は、トランプ大統領の関税政策の影響とアメリカの株価の下落を受けて、一次1500円を超える暴落をしています。

トランプ関税により、2025年は、世界的な不況のスタートになるのでしょうか?

2020年からの5年世界一好況とされてきた米国経済も、2025年3月で終わった感じです。
みなさんは、どう思われますか?

次回は、トランプ政権の施策の影響について考察してみたいと思います。sayonara.gif

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