次世代モバイル通信5G 日本はどうなる?(2)

takaです。スマホ半導体特許の訴訟の和解で、アップルがクアルコムに5千億円を支払ったと、2019年5月2日に報道されました。

アップルと言えど、5Gの世界で出遅れれば、致命傷になる。
その対価が、この5,000憶円なのでしょう。

巨大な投資と困難な技術開発が必要な5Gの世界

先月書いたようにあのIntelも携帯用5Gモデムの生産を断念し、現時点で5Gモデムを生産できるのは、クアルコムとファーウェイ、サムスンなど数社に絞られらました。

6GHz以下の周波数帯を使って、LTE/LTE-Advancedと互換性を維持しつつ、6GHzを超えた帯域を使って、新しい通信方式に対応する携帯モデムの開発は難しいのでしょう。

Intelが『同事業における収益性について明確な道筋を見いだせなかった』と言うように、収益性を確保した上で、スマホ向けに巨大な投資と困難な開発を行うのは、かなりの難易度なのでしょう。

ファーウェイ排除は、米中の貿易戦争の延長なのか?

  1. 2019年5月10日、の米中通商協議の決裂で、アメリカは中国製品に、2,000億ドル規模の追加関税を10%から25%に引き上げることを決めました。

  2. 5月13日に、中国が6月1日に25%に引き上げる600億ドル規模の報復関税を発表しました。

  3. それを受け、米通商代表部は、対中依存度が8割や9割超のパソコン、スマホ、ゲーム機などを含む、中国製品3,805品目に対し、3,000億ドル規模の追加関税の第4弾を検討することを発表しました。

  4. そして、2日後の5月15日にファーウェイによる米国からの部品調達を制限する大統領令に署名しました。

1つの企業を抹殺するために国家権力を行使するアメリカ

その後、アメリカはファーウェイの使用する部品の出荷を規制し、Googleなど提供する主要なソフトウェアーの利用やアンドロイドの更新にも制限を課しました。
さらに、日本・韓国・EU・豪などの関連国にも部品の提供を止めるように圧力を掛け、イギリスのARM社の半導体の設計技術までも使えないようにしてしまいました。

まさに、なりふり構わず1つの企業を抹殺するために、アメリカは、国家権力を行使しています。

ファーウェイ排除は、貿易戦争の協議の決裂の延長戦のようにとらえられていますが、仮に貿易交渉で合意していたとしても、いずれファーウェイ排除のシナリオは実行さたと思います。

それほど、5Gの主導権争いは、未来の国の覇権争いに直結する技術革命と思われます。

5Gで出遅れた国や企業は、自動車産業や交通インフラを含めて今後、あらゆる分野で不利になる恐れがあります。

5Gの主導権争いの結果が、次世代の経済、軍事、医療・交通など各産業のスタンダードを決めることになります。

5Gの世界でメインプレイヤーとなるような日本企業の名はでてきません。

日本は、アメリカに協力する道を選択していますが、5Gの世界でもアメリカの技術属国となってしまうのでしょうか?cat_7.gif

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