財務省が25日発表した8月の貿易統計によると、
2008年の8月は、輸出が7兆559億円、輸入が7兆3799億円で、26年ぶりに貿易赤字になったそうです。
原因は、資源・エネルギー・穀物の、輸入価格の急騰と米国をはじめ世界経済の悪化を背景に輸出が鈍化したことです。
貿易赤字とは、日本の資金が、海外に流出することです。
これは、とても大きな変化であり、「パラダイムシフト」だと思います。
いままでの日本は、海外との貿易で稼ぎ、海外の富を国内に還流してきた。
これが経済成長を続け、経済大国になれた基本構造でした。
国内の人口が減り、少子高齢化が進み、国内の消費や生産が減るであろうことが確定している日本にとって
貿易収支も赤字になるのは、致命的とも思えます。
中国向け輸出が、まだ増加を続けており、黒字になったのがせめてもの救いです。
1990年までは、1年40兆円ずつ増えていた個人金融資産も2000年以後、増えていません。
もはや、日本は「経済大国」「貿易大国」ではないのかもしれません。
今までは、適度な円安が国益とされてきましたが、「パラダイムシフト」を認めれば、円高への誘導が国益に思えます。
本来なら、アメリカの金融状態を反映すれば、1ドル/80円や60円もありうる状態ですが、
大きくドルは、下落していません。
何故でしょうか?
たぶんドルを支えるため政治的なことが、世界で行われているのでしょう。
おそらく日本もその一員なのでしょう。
アメリカは、借金を国が負担するとアナウンスし、とりあえず目先の破たんを回避しましたが
借金が無くなったわけでもなく、いずれは、さらに大きな破たんに向かうように思います。
もしかしたら、すでに恐慌の中にいるのかもしれません?
みなさんは、どう思われますか?
今回の米国金融業界破綻と救済策(75兆円)について日本のマスコミ報道を見ていますと、なんか捉え方が違うなと感じていました。
日本がバブル崩壊後に採った救済策に習いアクションを取れと言うことは基本的には間違った方向ではないと思います。しかしアメリカの国民性が日本のそれと大きく違うところを見落としているように感じていました。
本日ダウの500-700ドルの暴落の背景を見れば良く解ります。ブッシュ政権というよりアメリカ国民の間には既にブッシュだ大統領個人に対する大変な不信感が広がっています。ですから彼が幾らTVに出て今回の危機的状況を訴えても信用されていないようです。彼自身が今回の金融危機に至るまでのお祭り騒ぎと石油利権を利用して踊り続けていた張本人の一人と捉えられている為です。
今回貴殿のブログで簡潔に的を得て指摘されている貿易立国としての日本の将来と、現在のアメリカの借金についてはまさしくその通りだと思います。
本当に難しいすみにくい世界になって来ましたね。
wasabiさん コメントありがとうございます。
ほんとうにご指摘のとおりです。
本日、アメリカの株式市場が史上最大の下げ幅となりました。
もはや国民にもそして共和党にさえ、ブッシュ政権は見放されている状況です。
ブッシュ政権の5年間で1兆億ドル以上の借金を重ねてきました。
今回の金融機関の救済でさらに借金が増えています。
この借金の額は、アメリカの建国以来の210年間以上の借金をわずか5年でした事になります。
前回の大統領選で軍事産業や石油資本をバックにすブッシュでなく、ゴアが勝っていれば・・
世界経済にとっても地球環境にも良かった事は間違いありません。
国内のマスコミの論調では、回復までに1~2年というような楽観論もありますが、同質のバブルがヨーロッパや中国で破綻しつつある今、回復には、5~10年以上かかるように思います。
日本のバブル崩壊時より、
1、負債が巨額でしかも複雑に証券化されている事
2、30倍もの高いレバレッジがかけられている事、
3、機軸通貨ドルに直結している事
4、アメリカの債務が巨額に積みあがっていて
体力のない状態で金融危機が発生した事
5、アメリカ、ヨーロッパ、中国など広範囲に広がっている事
・・・などなど問題は複雑で巨大です。
問題を正確に捉えれば、
楽観論を唱えるマスコミや専門家の認識が疑われます。